洛北・洛南・洛東・洛西はどこか。(洛東・洛西編)

京都の人々はどのあたりを洛北・洛南・洛東・洛西と認識しているのか。

「洛北」「洛南」「洛東」「洛西」を名前に含む施設や企業・商店などの分布から探っています。前回は洛北洛南をみました。 

zerohara.hatenablog.jp

 

今回は洛東洛西をみてみたいと思います。  

洛東はどこか。

次の地図では、「洛東」を名前に含む施設等の位置を青いマークで示してあります。紫色のマークは「洛北」、赤いマークは「洛南」、橙色のマークは「洛西」を含む施設等です。

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洛東」が多く見られるのは鴨川の東岸エリアと山科(やましな)地区です。これには東山区山科区がちょうど収まります。また平安神宮京都大学銀閣寺の付近にも青いマークがありますが、ここは左京区の南端部になります。したがって洛東は東山区山科区と、左京区今出川通より南の部分、と考えたいと思います。

 

なお、「祇園」エリアでは「洛東」を名乗る商店等がみられませんでした。京都の人々の意識としては「祇園」は「祇園」であって、「洛東」ではないということなのでしょう。

  

洛西はどこか。

最後に洛西です。橙色のマークが「洛西」を名前に含む施設等の位置です。

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洛西が目立つのはまず桂川の西側です。特に京都市によって開発された「洛西ニュータウン」には、「洛西」の名の付く施設が集中しています。また、この地図では北東部が京都の中心市街地になりますが、ここでも千本通より西側には「洛西」が現れてきます。

このことから、洛西は桂川より西側・北部では千本通より西側と考えたいと思います。ちなみに、著名な観光地である「嵯峨・嵐山」エリアになると、「洛西」が見られなくなるのは、洛北中の「西陣」や洛東中の「祇園」と同様の現象と言えるでしょう。

 

洛中はどこか?

ここまででわかった、京都の人々が考えているであろう「洛北」「洛南」「洛東」「洛西」をまとめると、次のとおりです。

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では、この図中央の「洛北」でも「洛南」でも「洛東」でも「洛西」でもないエリアが「洛中」だと言って良いのでしょうか? 実は話はそう単純でもありません。

 

「洛中」はどこか? いずれ日を改めて考えたいと思います。