法定路線名で見る京都。
住んでいる場所や、自動車を運転するかしないかで変わるかもしれませんが、京都に住んでいる人は、京都の市街地について、だいたい次のような地図が頭に入っているのではないでしょうか。
良く知られているように、京都の市街地の道のほとんどに名前が付けられています。これを通り名(とおりな)ということもあります。上の地図は、市街地の主要な道とその通り名を示したものです。京都の人は、日常的にこの通り名を使って、場所を把握しているわけです*1。
一方、日本の道路には法定路線名というものがあります。「国道○号」や「県道○号」というのがその例です。京都の市街地の道にも法定路線名が付けられています。しかしそれらは、通り名とは無関係に付けられています。そこでこの法定路線名の情報を加えたのが、次の地図です。
この地図では、「京都市指定道路図」*2を参考に、法定路線名を示しています。特に国道と京都府道、そして京都市道のうち主要地方道*3に指定されている路線には色を付けました。グレーはそのほかの一般の市道です。
今回の内容はこの地図が全てですので、記事としては以上です。ただ、これで終わるのも寂しいですから、地図中の道の一部を、写真で御紹介します。
国 道
国道1号・9号の五条通(ごじょう・どおり)区間。五条新町の歩道橋から五条烏丸(ごじょう・からすま)方面を撮影。五条烏丸交差点は、国道9号・24号・367号の始点であり、国道8号の終点でもあります。
高野川沿いを行く国道367号。滋賀県内を経て、福井県まで繋がります。かつて若狭から京都まで、サバなどの海産物を運搬するルートであったことから、「鯖街道」とも呼ばれました。
府 道
府道31号西陣杉坂線の千本通(せんぼん・どおり)区間。鷹峯(たかがみね)交差点から南を撮影。
3つの府道の起点である二条駅東口交差点。画面中央左のバスが並んでいる道は府道37号二条停車場東山三条線及び府道111号二条停車場円町線、画面右が府道112号二条停車場嵐山線です(千本通区間)。画面中央右は市道御池通(おいけ・どおり)、画面左は二条駅のロータリーの入口です。
府道38号京都広河原美山線の堀川通(ほりかわ・どおり)区間。堀川五条の歩道橋から北へ撮影。堀川五条交差点は同府道の起点です。
府道101号銀閣寺宇多野線の今出川通(いまでがわ・どおり)区間。画面左手は京都御苑、右手は同志社女子大学。
市 道
市道181号京都環状線の十条通区間。「一条通」から「九条通(くじょう・どおり)」は平安京の条坊に由来する古い通り名ですが、「十条通」は近代になってから付けられた新しい通り名です。
同じく市道181号京都環状線。こちらは西大路通(にしおおじ・どおり)区間です。
市道186号祇園嵐山線の四条通(しじょう・どおり)区間。八坂神社石段から祇園交差点を撮影。市道186号はここが始点です。
*1:具体的には、目的の場所近くの交差点を通るタテ(南北)の通りとヨコ(東西)の通りの名前と、その交差点を北上するか・南下するか・東進するか・西進するか、の組み合わせで場所を示します。例えば、「株式会社はてな」の京都オフィスの住所は「中京区御池通間之町東入高宮町206」とのことですが、「高宮町206」の場所を知らなくても、「御池通間之町東入」の部分から、「オフィスは御池通と間之町通の交差点を東に進んだ場所にあるのだな」と分かるわけです。ちなみに読み方は「おいけどおり・あいのまち・ひがしいる」です。祇園祭の山鉾が目の前を通る、良い場所にありますね。
*2:「京都市指定道路図提供システム」(http://web.gis.survey.ne.jp/Kyoto/ShiteiDouro/)で見ることができます。
*3:「主要地方道」とは、都道府県道や市道のうち、その地域の広域交通を担う路線として国土交通大臣が指定した路線のことです。